ハクとの出会い(第1話)

ハクとの日常
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「張り紙と13万円と、運命の抱っこ」

初代フレンチブルドッグのシャックを失ってから、 もう一度フレンチと暮らしたい気持ちはずっと胸の奥にありました。 でも、当時はどこを見ても高額で、 「また迎えるのは難しいかな…」と諦めかけていた頃のことです。

ある日、ふらりと立ち寄ったペットショップの前で、 私は足を止めました。

「フレンチいます 9ヵ月 13万円」

ただそれだけが書かれた張り紙。

“え?この値段で?しかも張り紙だけ…?” 驚きと戸惑いが入り混じったまま、 気づけば店員さんに声をかけていました。

「張り紙のフレンチ、見せてもらえますか」

抱っこさせてもらったその瞬間、 胸の奥がふっと温かくなりました。 9ヵ月のその子は、 まだ幼さの残る顔でこちらを見上げて、 なんとも言えない安心したような表情をしていました。

その子が、今のハクです。

たらいのような食器の謎

お迎えの日、 店員さんが差し出したのは “たらいのような大きな食器が2つ”。

「これ、今まで使ってた食器です」

あまりの大きさに思わず笑ってしまいました。 でも家に帰って、普通の犬用食器でごはんをあげてみてすぐに理由がわかりました。

ハクは勢いよく食べるあまり、 鼻でごはんを押し出してしまい、 半分くらいこぼしてしまうのです。

“ああ、だからあのサイズだったのか”

その時、たらい食器の謎がすべて解けました。

今でもハクはごはんをこぼしながら食べます。 こぼした分を拾いながら、 一生懸命食べる姿がたまらなく愛おしい。 あの日の張り紙と、 あの大きな食器は、 私にとって“運命のサイン”だったのかもしれません。

この続きは「第2話:ハクが家に来た日のこと」へ

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